色鮮やかな食べ物で埋め尽くされた一枚の映画のポスター。
監督は、さまざまなメディアで活躍しているフードディレクター、野村友里さん。
下のほうに目をやるとこんな文句が付いていた。
「人と食を巡る、映画のかたちをした、ごはん。」
一瞬で心奪われてから一ヶ月。
恵比寿ガーデンシネマで公開中の映画 「
eatrip 」 観てきました。
監督の野村さんが、
歌手、俳優、住職、築地鮮魚仲買人、自給自足で暮らす主婦、など、
年齢も、職業も、環境も違う、様々な方のところへ足を運び、「食」との向き合い方について
インタビューしていく。
「あなたがいちばん心に残っている料理は何ですか?」
こんな質問から始まり、
食べることってなんだろう。生きることってなんだろう。と
日々の暮らしの中にある『食』をみつめ、考えるフードドキュメンタリー。
印象的だったのは、何度も映し出される調理風景の鮮明な美しさ。
目の前で作ってくれているようで、匂いまでしてきそうなほど。
おなかぺこぺこで観に行かないでね。
言葉では表現しきれない空気感や温度がじかに伝わってくる。
人は生きるために食べる。
でもただそれだけじゃなくて、誰かの顔を思いながら料理したり、
みんなで食卓囲んで笑ったり、おいしいって言ってもらって胸がきゅんとしたり、
誰かとつながりたくて、食べたい、作りたいって思う。
食べる。
それは、自然の命をつなぐことでもある。
野菜や穀物、魚や肉。いのちの交換。自然とつながること。
毎日いろんなことがあるけど、毎日なにかを食べている。
人が生きていくうえでかかせない食。
だからこそ今、考える。
この映画を見たら、おいしいごはんが食べたくなるはず。
しのぶし